この記事では先週行われた競馬開催の中で
管理人が激選した1レースを深堀して回顧します!
今回選定したレースは
3/1(土)に行われた
阪神9R すみれ(芝2200m)です!
メモ
阪神開幕週Aコース
昨年の第2回阪神競馬終了後芝張替実施
洋芝を播種し、1月中旬~保温シートで養生
クッション値9.0の良馬場
内前有利が顕著
前半5F 59.5(ハイペース)
後半5F 59.5
久しぶりの阪神開催!
馬場もリニューアルされ、どのような時計の出方をするのか注目していましたがやはりかなり時計の出る馬場となりました。
開幕週らしく馬場の内を通った馬が上位を占める結果が多く、相対的に外を回す負荷が高かったと考えることもできます。
今年のすみれSは8頭の小頭数となったことで、スローペースからの後半瞬発力勝負になる可能性が高いと思っていました。
しかし、ジーティーアダマンが内枠から逃げてつくったペースは意外にもかなりのハイペース。
前半5F 59.5は歴代のすみれS(2006年以降、21年間)の中で2番目に速いペースでした。
最終的にジーティーアダマンが逃げ切り勝ち。
2番手で進めたミラージュナイトが2着。
後方から外を回して差してきたファイアンクランツが僅差の3着、
という結果でした。
ペースが流れたこと、小頭数で各馬がスムーズに競馬できたことで現時点での能力差がはっきりと着順に現れたかなと考えています。
今回は3着と4着の差が0.8秒開いたことが重要なポイントではないでしょうか。
レースラップ
2021年~2024年までの4年間に行われたすみれSの平均ラップと2025年のラップ比較は以下の通りです。
今回はラップで他の年と比較した際の特徴が一目見てわかるレースとなりました。
前の項でもふれていますが、前半6F(1200m)までのラップが他の年より明らかに速く、速いペースとなったことが重要です。
それでいて後半ラップが極端に遅いという訳ではないため、高速馬場であることを差し引いて考えても
今年のすみれSのラップは非常に優秀と言えるでしょう。

レースレベル
今回は比較する対象レースが難しいため、まずはすみれS単体の時計を過去のすみれSと比較します。
以下は過去5年間のタイム比較です。

今年の勝ち時計は
過去5年で一番速く非常に優秀です。
実はこの時計は
2006年以降の過去21年間の中で最も速い時計です。
ただし、過去のすみれSは開幕週に行われたケースが少ないということに注意が必要です。
今年はこれまで書いてきた通り前半ペースが流れたのでペースが全体時計に影響していることも重要です。
当日の3歳未勝利戦(芝1600m)が1:33.9で決着している事実も当日の馬場がかなり速い水準だったということを裏付けています。
これだけ書くと速い全体時計を鵜吞みにするのは危険だと思うかもしれませんが、私は字面通り高く評価してよいのではないかと考えています。
理由は、過去阪神競馬場で開催された
京都記念(第1回開催, G2, 芝2200m)との比較によります。
2021~2023年の3年間は京都競馬場改修中の影響で阪神芝2200mで京都記念が開催されました。これらは阪神開幕週に開催されるレースということで、今年のすみれSと同様に速い時計が出る馬場で行われました。
※芝の質が違うことに注意

阪神芝2200mのコースレコードは2022年の宝塚記念でタイトルホルダーが記録した2:09.7なので、
その数字に近いレベル=G1レベルの時計で決着している2021年、2023年は勝ち馬
(ラヴズオンリーユー、ドウデュース)
を考えてもかなり高いレベルだったと考えることができます。
これらの時計と比較すれば、今年のすみれSの勝ち時計2:11.0の凄さがわかるのではないかと思います。
特に下位と着差が開いた上位3頭はかなり強いのではないかと個人的に考えています。
勿論、時計だけが全てではないので今後の結果次第で今年のすみれSの価値が決まっていくでしょう。
今後の答え合わせが楽しみです!!
ピックアップ馬
1着 ジーティーアダマン
新馬戦も内枠から先行し、ラチ沿いを抜け出す競馬で勝利。今回も同じような競馬でトラックバイアスの優位性を生かして見事に連勝を飾りました。確かに馬場に恵まれたことは大きいとは思いますが、この馬はかなり強い可能性があると思います。これまで書いてきたすみれSの時計の素晴らしさもそうですが、新馬戦も優秀な時計で勝利していました。個人的には新馬で外から差してきた3, 4着馬は重賞級だと考えているため、相手も悪くなかったと思います。血統的には日本での活躍馬が出ている牝系ではないため地味ですが、ルーラーシップ×マンハッタンカフェの字面通り底力はかなりありそうなタイプです。母母マネーペニーの半妹、スターダムバウンドは米G1を5勝した名馬でした。この後G1でも面白い走りを見せてくれるかもしれません。
2着 ミラージュナイト
新馬戦はサトノシャイニングに後ろから迫る強い競馬。東京での未勝利戦はHペースに巻き込まれて負けてしまいましたが、当時のペース(自身の前半5Fは59秒台前半)で残るのは不可能に近いため度外視で良いでしょう。その後1戦でしっかりと勝ち上がり、前走の若駒Sでは後ろから素晴らしい脚で差してきました。2000mの距離では勝ち馬ジュタと能力的には差がないと思っています。この馬の母ラキシスは2200mで3勝しエリザベス女王杯も制した馬。兄弟馬もマキシを筆頭に2000m以上で好成績を残しているため、この馬も2000mより長めの距離で活躍することになると思います。この馬を管理する辻野厩舎も長めの距離で走る活躍馬を今後出してくると思われます。晩成とみており菊花賞の本命候補です。跳びが大きな馬なので良馬場・大箱コースで狙いたいですね。
3着 ファイアンクランツ
この馬に関しては予想や回顧で何度も触れており、能力的には何も疑ってはいないため今回新たに書くことは少ないです。今回負けたのは明らかに位置取りの差であり、後半の脚はこのメンバーでも際立っていました。晩成・長距離で持ち味が生きるタイプであることは明らかなので、ゆっくり成長を待つべきでしょう。現状は前半の走りとポジション取りに課題があると思います。すでに素晴らしい経験を積むことができているので、どこかで勝ちに来た時にしっかり頭を取り切れるように注目していきたいと思います。

4着以下
今回は上位3頭が抜けて強いと感じましたが、長距離戦で着差が付きやすいレースだったと考えています。本来は2:12秒台前半でも十分優秀なレースです。(今年は開幕週で時計が速かったことを考えると少しマイナスの評価にはなりますが…)前半ペースが速い長距離戦となったので距離適性のない馬は能力を出せていない可能性が高いです。特に1800m以下がベストだと思っているヤマニンブークリエは距離短縮で見直したいです。また、パーティハーンは直線で少し不利があったのでその点は今後考慮すべきです。
レース後コメント
レース後コメントへのリンクは以下の通りです!
個人的には、「勝った馬が強かった」というコメントは覚えておいて損はないと思っています。