前書き
最近競馬予想でよく
”後半5Fがすごい!”
って聞くけど実際どうなの?
そんな疑問を持ったことはないでしょうか?
実際に最近は競馬予想においてラップやタイムの重要性が一般的にも認知されてきて、上り3Fの数字だけでなく後半5Fや後半4Fといった数字もよく目にするようになってきたのではないかと思います。
特に先週行われたクロワデュノールが新馬戦で記録した後半5F 57.3秒という数字が大きな話題になったのは記憶に新しいですね!
落ち着いたので色々精査してました。クロワデュノールやばすぎますね… 全体時計1:46.7は2歳東京芝1800m新馬戦の数字としては単独1位で46秒台は唯一。6月開催に絞ると2位はダノンエアズロックで3位はジオグリフ。しかも後半5F 57.3はジオグリフと並んで1位。東スポ杯2歳Sと比較しても上位に来ます…
— おず@競馬好きサラリーマン馬士 (@odds_keiba01) June 9, 2024
この記事では
- レースラップってどう見るの?
- そもそも後半5Fって何?
- どれくらい予想法として使えるの?
といった疑問に対して私なりにお答えしたいと思います!
この記事を書いた人
ラップを中心とした予想で2024年ここまでの馬券回収率110%超え。netkeiba俺プロ馬士。2歳の早い段階から馬の素質を見抜くのが得意です。馬券の買い目は全て事前にXで投稿しています!
レースラップの見方
まず後半5Fについて説明する前に、ラップタイムの基本から説明していきます。
参考までに2024年10月27日に東京芝2000mコースで行われた天皇賞(秋)のレースラップを見てみましょう!
ハロンタイム | 12.8 – 11.5 – 11.6 – 12.0 – 12.0 – 11.9 – 11.8 – 11.1 – 11.1 – 11.5 |
---|---|
上り | 4F 45.5 – 3F 33.7 |
※単位は秒
「ハロンタイム」というのは1ハロン(200m)の区間で距離を区切り、その区間を走るのにかかった時間を表示したものです。
今回の天皇賞(秋)は距離2000mのレースなので、2000m=10F(ハロン)分のタイムが表示されていることになります。
競走馬の平均時速は約60キロと言われています。
時速60キロを基準として1Fに置き換えると12秒になるので、1F 12秒というのは平均的な速さと言うことですね。
よって、ざっくりと
1F 11秒台は早い!
1F 13秒台は遅い!
のように考えることもできます。
ラップを見る際の注意点
一点、レースラップを見る際の注意点があるのでここで紹介したいと思います。
レースラップは各ハロン地点で先頭を走る馬のタイムを示しているということです。
2024年の天皇賞(秋)を勝利したのはドウデュースですが、ドウデュースが実際に先ほどのレースラップで走ったわけではないということですね。
もう少し具体的に説明します!
基本的にレースでは逃げ馬がずっと先頭を走り、レースの後半で後ろにいた馬が逃げ馬を抜くか、そのまま逃げ馬が先頭でゴールするか、という形になります。
つまり、1Fの中で先頭を走る馬が変わった場合、先頭の馬を抜いた馬はレースラップよりも早く走っていることになります。
下の図をご覧ください。
2000mのレースがあり、残り200m(9F通過)地点で白色の馬が先頭を走っています。
その後ゴール(10F通過)地点では黒色の馬が前を走っていた2頭を追い抜き、先頭でゴールしたとしましょう。
この時、このレースの最後の1Fのラップタイムが12.0秒だった場合、
白色の馬は最後の1Fを12.0以上のタイムで走った
黒色の馬は最後の1Fを12.0以下のタイムで走った
ことになります。
つまり、レースラップを見る際は、
各ハロンを通過する際に
先頭を走っていた馬が重要
ということです。
後半5Fとは
続いて本題の後半5Fについて説明します!
これは非常に簡単で、先ほど紹介したレースラップの内、後半5F(1000m)の数字を表しています。
先ほど紹介した天皇賞(秋)で考えると、
12.8 – 11.5 – 11.6 – 12.0 – 12.0 –
11.9 – 11.8 – 11.1 – 11.1 – 11.5
レースラップのうち太字で示した部分が後半5Fにあたる部分です。
よって、このレースの後半5Fは
11.9 + 11.8 + 11.1 + 11.1 + 11.5 = 57.4
57.4秒となります。
簡単に言うと、”このレースでは後半1000m走るのに57.4秒かかった”ということです。
ほとんどのレースでは馬がトップスピードにのって走るのはレース後半であるため、後半1000mの数字は馬がトップスピードで走っている区間を含んでいると考えることもできます。
では、この数字が馬の強さとどのように関係があるのでしょうか?
後半5Fの価値
アーモンドアイ
(東京芝2400mレコードホルダー)
イクイノックス
(東京芝2000mレコードホルダー)
など、レースの走破時計が早いほどそのレースの勝ち馬は強いことはすぐにわかると思いますが、後半1000mを走るのが早いことがそのまま各馬の強さをはかるのに適しているのかということはすぐにはわかりません。
そんな中で、後半5Fの数字が重要になってくるのは
東京芝1800m 2歳戦
です!
なぜこの条件で後半5Fが重要となるのか。私が考える理由は、
馬のポテンシャルをはかるのに
最も適したコースだから
です。
まず、コース設定について。
東京芝1800mは直線コースが526m、直線の幅が41mと日本の競馬場の中で最も直線コースの面積が大きいコースです。
そのため、各馬が不利を受けにくく、トップスピードを出しやすいコースとなっています。
次に、2歳という年齢について。
馬は成長する生き物であり、年を重ねるにつれて筋肉量が増えて走るスピードも速くなっていきますが、若い頃は生まれながらにして持っている素質の方が重要です。
つまり、若い時期に速いトップスピードで走れる馬が同世代の中でも強い可能性が高いということです。
これらのことから、東京芝1800m 2歳戦で後半5Fを早く走れる馬はクラシックでも活躍できるのではないか、という仮説が成り立ちます。
東京芝1800m 2歳戦の後半5F
論より証拠、ということで東京芝1800m 2歳戦の後半5Fが早かったレースを上から順番に見てみましょう!
対象データは以下の通りです。
・2006年~2024年10月までに開催
・東京芝1800m 2歳限定戦のレース
・合計263レース(重賞含む)
表に並んでいるのは後半5Fが58.3秒以下だったレースの勝ち馬です。そのうち、後にG1を勝利した馬を黄色のハイライトで示しています。
コントレイルやイクイノックスは言うまでもないですが、それ以外にも近年皐月賞やダービーで勝利した馬がずらりと並んでいることがわかります。
直近の2024年に開催されたレースの勝ち馬を除けば、レッドロスタム以外は全てオープンクラス以上のレースを勝利しています。
重要なのは、これらの馬が2歳の未完成な時期に記録した数字であるということです。
2歳時に東京芝1800mを走った際のレースの後半5Fを見ることが早い段階で馬の素質を見分けるための重要な材料になると言ってよいのではないでしょうか。
そして、もう少し精度を上げたい場合は先ほど「ラップを見る際の注意点」で紹介したことを思い出してください!
レースラップを見る際は、
「各ハロンを通過する際に先頭を走っていた馬が重要」
でしたね。
逃げ(各ハロンを先頭で通過)馬よりも後ろから差してきた馬の方が早いラップで走っていることになるため、後半5Fの数字が早いレースを勝利した馬の中でも、差して勝利した馬はその価値がより大きいということです。
実際に、先ほどの表で唯一オープンクラス以上のレースを勝利していないレッドロスタムは逃げて勝利した際にラップとなっています。
ここまでを簡潔にまとめると以下の通りです。
・東京芝1800m 2歳戦で後半5F
を早く走れる馬は強い可能性大!
・後半5Fを見る際は馬の位置取りに注意!
(逃げ馬より差し馬の方が価値が高い)
是非参考にしてみてください!
まとめ
この記事では以下について解説してきました。
- レースラップの見方
- 後半5Fとその価値
- 後半5Fが使える条件とは
レースの後半5Fを調べることは、地味に大変な作業ですが、2歳の早い段階で馬の素質を見分けるのに非常に有効です。
レースの後半5Fを調べる癖をつけていくと、後の三冠馬や名馬に早い段階で出会うことができるかもしれません!
今後も後半5Fに注目していきましょう!
今回は以上です!
また次の記事でお会いしましょう(^^)
おず
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