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全頭診断
買いたい度合いを5段階で評価
S:★★★★★
A:★★★★☆
B:★★★☆☆
C:★★☆☆☆
D:★☆☆☆☆
1. ジョバンニ
A:★★★★☆
小倉新馬戦のラスト2Fは圧巻の数字。今年の小倉芝1800m以上のレースではラスト1Fが最速のレースラップ。過去の2歳戦との比較ではクロノジェネシスやドウデュース級の数字と評価。エリキングに2敗しているが大きな力差は感じない。3戦全て3F以下の上り勝負であり、血統的には前に行って持続力を生かす競馬で良さが出るとみている。よって今回はまだ本質が見えていない段階でオッズがつくので買いたい場面。内枠を引いて出していくことを示唆しているのもGood。ただし間隔が詰まるためか調教で馬也での時計しか出していないのは他馬のとの比較でマイナス。
2. ショウナンマクベス
D:★☆☆☆☆
新馬は人気薄で前有利展開に恵まれているがラスト5F 58.5で優秀。札幌2歳Sは仕上げの面が敗因にありそうで度外視でよい(上位とのポテンシャル差は感じたが)。前走はほぼ完ぺきな競馬ができて1着。相手はそこまで強くないとみていて、時計面も平凡であり最後も減速しているので個人的な評価は低い。血統的に重賞でも好走できる下地はあるが、今回の超ハイレベルなメンバーに入ると下の方になってしまう。一般評価でも低評価であるため今後展開的に恵まれそうなレースで買いたい。
3. ジェットマグナム
A:★★★★☆
新馬戦の時計的なレベルは今年の2歳戦の中でもTOPクラスに評価。2着だったリトルジャイアンツもその後の走りを見る限り相当に強い馬。その相手に1頭抜けた走りをしており、重賞を勝てるレベルの馬だと考えている。コスモス賞は心房細動の影響での大敗であるため度外視でOK。前走は時計的に平凡に見えるが、ペースがスローだったことが原因。この馬が強く追ったのは残り200mだけ。それでラスト1F推定11.5なので全く底を見せていない(ゴール後もミッキーマドンナと2頭で突き抜けている)。ポジションをとれるのが強みで今回も最高の位置が取れるはず。後は世代最強格であろう他馬との力関係だけ。他馬との相対比較でもこの馬がトップの可能性もあるのにオッズがつく今回は買い。調教量も豊富で今回の勝負度合いは高い。
4. クラウディアイ
C:★★☆☆☆
新馬戦の後半ラップは優秀。後半2Fは過去比較でも非常に優秀であり、タフな中京芝2000mでのラップであることも高評価。前走の京都2歳Sは外が伸びる馬場で上位2頭より内目を突く競馬となる不利がありながら3着に差してきたのは評価できる。相手も強かった。小柄な馬で今回のメンバーでも抜けて小さいタイプのため、内枠に入ったのは大きなマイナス。能力から考えると現状の人気は舐められすぎな印象があるが、初の遠征競馬、芝1800m戦を経験していない不安要素も加味すると他馬との比較でも買いたいとはならなかった。
5. レーヴドロペラ
D:★☆☆☆☆
加藤士津八厩舎の馬で新馬は度外視。2戦目、3戦目、4戦目と比較的タフな馬場・展開で好走しているので牝馬としては意外性があって面白いタイプ。前走のように牡馬相手でも好走できるポテンシャルがあるため相手が変われば大きく買いたい馬。しかし、今回は同世代の牡馬最強クラスが集まっており流石に能力的に足りないとみる。同じ舞台だった前走もジェットマグナムとの能力差はかなりあるように感じた。この世代は去年と真逆で現状「牡馬>>牝馬」と考えているため消しの評価。あるとすれば後方に構えて前が総崩れになる特殊な展開。
6. クロワデュノール
B:★★★☆☆
多くの人が高く評価しているように、この世代最強の可能性が高い馬。東京芝1800mで記録した数字は過去の2歳馬の中でもTOPクラスに強い。後半5Fを通して早いラップを刻むことができており、ポジションをとって競馬もできるので現状穴がないように見えるため高評価は必須。前走は叩きに見えた仕上げでも勝ち切っており今回は万全の状態というのも見逃せない要素。しかし、クラシックであまり実績のない牝系であり、初の右回り2000mというマイナス要素もある。騎手も中山芝2000mの実績は薄い。今回は個人的に同等レベルの馬とみているマスカレードボールとの比較で明らかにこちらが人気になることは確実のため期待値的に本命で買いたいとは思わなかった。
7. ヤマニンブークリエ
D:★☆☆☆☆
新馬戦の全体時計は平凡だが後半2Fは非常に優秀。2着馬も非常に強い馬だった。2戦目は初戦と異なり逃げて好走。陣営のコメント通り現状どんな競馬でもできそうなタイプなのは2歳戦において大きな強みとなる。ただし、ミュージアムマイルとの比較では明らかにこちらが下であり、コスモイシュタルとの着差を考えてもここで人気するレベルかというと疑問。前走は道中のラップは優秀でも最後に大きく止まっているので1800m以下が現状のベストだと考えている。調教は素晴らしく今回状態が良いことは推せる材料だが、メンバー的に前に行く馬が多く厳しいラップになる可能性が高いためここで買うには至らなかった。
8. デルアヴァー
S:★★★★★
新馬の勝ち方は過去に例がないほど強い。時計の出る福島芝でのラップなので過剰に評価はできないのだが、12.0 – 11.4というラスト2Fは素晴らしい。前走は出遅れて最初の1Fで大きな差をつけられたのが敗因。2F~9Fの数字は上位陣と同等以上。特に直線では内に行って前を追い差を詰めているので高く評価できる。この時の推定ラスト5Fは57秒台中盤でG1級の数字だった。アウォーディーやラニが近親におり、母の成績から考えてもダートで大活躍する可能性もあるが、今回の舞台設定はダートで必要なパワーも要求されるため現時点でベストに近い。前走の仕上げから一段階上がっていそうで、課題のゲートも克服できる可能性が高い(前走はクロワデュノールにスタートでぶつけられている)。展開も向きそうでかみ合えば頭まで考えたい。
9. アリオーンスマイル
D:★☆☆☆☆
元々門別ダートで走っていた馬で中央競馬の経験は前走の黒松賞(中山芝1200m)1戦のみ。内容・時計面も評価できない。前走から間隔も詰まるため上積みも薄いことは調教からも明らか。確かにホープフルSはダート系の馬が走りやすい条件ではあるがこの馬では足りないだろう。血統的なポテンシャルもそこまで感じない。
10. アスクシュタイン
C:★★☆☆☆
新馬戦はスローながら後半ラップがかなり優秀。2戦目のコスモス賞は相手が弱い(度外視のジェットマグナムを除く)ので勝ち方は過剰に評価されていた感があるが時計面は優秀。しかし、スローで逃げての勝利であり3戦目でやや厳しいラップを刻んだときに大敗している。展開的に度外視したいところだが、札幌2歳S当時の馬場であのラップであれば格好はつけてほしかったのが本音。今回は調教で上昇が感じられ、鞍上も中山芝で頼りになる横山武騎手なのは評価できるが、先行勢に強力なメンバーが揃う今回は強気には推せない。
11. ファウストラーゼン
C:★★☆☆☆
新馬は中京マイルで敗戦。力負けに見える着順と上りだが、最後まで止まっておらず度外視で良い。そして前走の競馬は時計以上にかなり強い。出遅れて後方を追走し、直線で内を突こうとしたが前が空かずブレーキ。そこから進路を切り替える致命的な不利がありながら抜け出して勝利。2着に0.2秒差をつけているがそれ以上の完勝だった。時計面は高く評価できないが底を見せていない点は魅力。調教でも素晴らしい動きを見せており、前走から上昇がありそう。さすがに今回のメンバーでは足りないとみているが、今後の動向には注目したい一頭。
12. マジックサンズ
B:★★★☆☆
個人的に新馬戦の数字はレガレイラ級に評価している(レガレイラよりは流石に少し下だが)。スローとはいえ重めの馬場で加速ラップで走れたことが素晴らしい。2戦目の札幌2歳Sは鞍上が上手く乗ったことも大きいが、強いメンバー相手に勝利。時計面も優秀だった。競馬の内容的にはファイアンクランツと同等とみているため、クロワデュノールよりは下だと現時点では考えているが世代上位であることは間違いない。間隔は空いたが調教でも抜群の動きを見せており、ここを目標にしてきたことは高く評価すべきなのだが、中間追切できていない期間があるのはやや不安。それを織り込んでも2番人気5~7倍になるのであれば本命とするには足りなかった。
13. ジュンアサヒソラ
A:★★★★☆
未勝利を勝ったばかりの馬で今回評価が低いのは妥当。しかし前走の時計面は過去比較でも高く評価すべき。まず2歳時点で2000m2分を切ったことが素晴らしいのだが、特にラスト2Fが素晴らしい。道中刻んだラップを考えても最後も11秒台前半のラップで上がれているのは能力が高い証拠。負けた2戦も強い競馬を見せており、特に初戦は相手が強かった。不器用なタイプのため今回の外枠はプラス評価。調教では自己ベストを大きく更新する走りで体調がよいのも間違いないだろう。血統的なポテンシャルも高く、G1で通用する下地はある。中山がベストの可能性も考えたい馬。
14. リアライズオーラム
B:★★★☆☆
この馬も未勝利勝ちの身。しかし、新馬戦で見せた脚は個人的に重賞級だと考えており、札幌2歳Sで2番人気だったアスクシュタインより強い可能性がある。函館芝1800mの新馬で上り3F 34.4はレガレイラ級(全体時計は全く違うが)。前走は超スローペースだったので全体時計は評価できないが、2走前の京都芝2000m戦が非常に優秀。淡々と流れるペースでスタミナを要求された上、最後の2Fで11秒台中盤のラップを刻んで僅差まで迫っている。調教ではマジックサンズに対して差を感じるものの、ポテンシャルはここでも通用してもおかしくない。
15. ピコチャンブラック
S:★★★★★
今年ハイレベルだった福島芝新馬戦勢トップ3の一角。馬也で圧勝したラップは非常に強い。それを証明したのが前走。東京芝1800mの2歳戦としては過去最高に近いレベルだった一戦で2着。勝ち馬とは差があるように見えたが、馬自身としては右回り2000mが向きそうなタイプであるため適性の差だった可能性もある。それでいて前に行き、ラスト5F推定57秒中盤で走れているのでG1級の可能性が高いだろう。新馬から調教で抜群に動いており、今後の上積みは薄いであろう点はマイナスだが、今回G1に挑むにあたって陣営の勝負気配は非常に高いと感じる。脚質的に外枠はマイナスだが、ここまで見せてきた能力が出せれば上位争いは必須。
16. ジュタ
D:★☆☆☆☆
東京開催最終週の新馬で勝利したばかりの馬であるため、能力的に未知な部分が多い。新馬の時計的な面だけで評価するのであればここではかなり下になってしまう。出遅れがありながら着差0.3をつけて勝利しているため、強く見えるが上りと内容は平凡。調教で素晴らしい動きを見せていて、2戦目で大きく上昇してくるだろうがそれでも今回のメンバー相手では買いたいとは思わない。血統的なポテンシャルはG1で通用してもよいのかもしれないが、さすがに足りないだろう。個人的には去年のミスタージーティーの2枚ほど下だと評価している。
17. アマキヒ
C:★★☆☆☆
この馬も新馬を勝ったばかりの馬。しかし新馬戦の時計面は高く評価すべき。2000mで2:01.7は優秀。直線ロジャリーマインに並ばれて完全に負ける展開だったが差し返して勝利。上り3Fは平凡に見えるが実質強く追ったのは残り2Fであり、そのレースラップは11.3 – 11.1。全く底を見せていない点は大きな魅力。2、3着馬はおそらく重賞級のため相手も強かったとみている。また、このコースでダントツに上手いルメール騎手を確保できたことも高く評価すべきだろう。しかし、同じ2000m勝ちではジュンアサヒソラの方が能力的に上の可能性があるのに人気はこちらが上、という点で買う意欲は低い。
18. マスカレードボール
A:★★★★☆
クロワデュノールと並んで現2歳牡馬最強格とみている一頭。今年のアイビーSはかなりハイレベル。その中でこの馬は一頭抜けていた。馬場的にも外が伸びる中で内を突いて着差をつける強い競馬。全体時計1:45.8という時計だけでもG1級だが、一頭だけ上り3F 33秒台前半、後半5F推定57秒台前半というのは化け物クラス。コーナーではややもたれ気味の走りをしていて、新馬でも幼い面を見せていたのでまだまだこれから成長しそう。マスクオフの仔なので血統的に早熟という訳でもないだろう。以上の評価からクロワデュノールより買いたいのは間違いないが、今回は調教面がイマイチで右回りへの不安もある中で大外。陣営コメントからも今回は経験を積ませる面が大きい気がしているため本命とはいかなかった。今後本命級に評価する機会は何度も来るだろう。