今週のピックアップ回顧#25(2025/9/15 セントライト記念)

この記事では先週行われた競馬開催の中で
管理人が激選した1レースを深堀して回顧します!

今回選定したレースは

9/15(月)に行われた

中山11R セントライト記念(芝2200m)です!

目次

メモ

中山開幕2週目
Bコース使用
芝は全体的に良好
クッション値9.9の良馬場
土日は内前有利
月曜は外差し頻出
(おそらく風向きが変わった影響)
前半5F 60.3(ややスローペース)
後半5F 58.3

菊花賞の前哨戦、セントライト記念!

開幕2週目らしく
時計の出る良馬場で行われました。

頭数は12頭立てとやや少なめではありましたが、レース前の段階で骨のあるメンバーが揃った印象でした。

レースでは事前の予想通り最内枠の
ジーティーアダマンが主張して逃げる形
になりました。

その外をサクラファレルが2番手で追走。

外から出していき内の3番手につけた
レッドバンデ

同じく外から内に切れ込んで最内の5番手に
ヤマニンブークリエ

1000mを過ぎたあたりで後方にいた
フィーリウスファイアンクランツ
が押し上げます。

4角前から外を回した馬が進出し、前が崩れたところで大外を差してきた
ミュージアムマイルが1着。

内から差したヤマニンブークリエが2着。

内目から外に出してジワジワと伸びた
レッドバンデが3着、

という結果でした!

高速の中山芝での結果なので勝ち時計2:10.8という数字だけで高く評価するのは危険と言われそうなところですが、
私は今年のセントライト記念
のレベルはかなり高かったのでは?
と考えています!

レースラップ

2021年~2024年までの4年間に行われたセントライト記念の平均ラップと2025年のラップ比較は以下の通りです。

前半ジーティーアダマンが刻んだラップは平均に近いのですが、今年は中盤でペースが全く緩んでいません。

岩田望来騎手はレース後コメントで「良いペースで行けました。思った通りの競馬は出来ましたが・・・(省略)」と述べていて、最初からペースを落とすつもりはなかったと推測できます。

ジーティーアダマンはすみれSをかなりハイレベルなラップで逃げ切っており、岩田騎手は当時の競馬を分析した上で敢えてスローに落とさない方が振り切れると考えたのではないでしょうか。

後の項で詳しく解説しますが、11F(2200m)の中で12秒以上かかった区間が最初の1Fを除いて3Fしかありません… しかも最も遅い区間が12.4というのはこの条件のレースでは中々見ることはできません…

前半5Fだけで切り取るとスローに思えてしまうのですが、正直このラップは
超ハイペースの削り合い勝負
と言ってよいと思います

個人的には前不利、後ろがかなり恵まれたレースと考えます。
(内やや有利、差しも不利ではない馬場状態)

レースレベル

今回は3日間開催中に行われた2, 3勝クラス
(芝2000m)との比較によりレースレベルを考えていきます。

以下は過去5年間のデータです。

2021~2024年は同日に2勝クラスの定量戦があったのですが、今年は前日に3勝クラスのハンデ戦(レインボーS)が行われました。直接比較するには適切ではないかもしれませんが、目安として見ていきましょう!

今年のレインボーSは3勝クラスにしては少しメンバーレベルが低かった印象はあります。

それでも後半5F 57.7でラスト1F 11.6なのでまだ各馬余力があったはずであり前半ペースがもう少し流れていたら1:57秒台が出てもおかしくなかったのではないかなと思います。

9/14(日)に行われた3歳未勝利(芝2000m)は1:58.4で決着しており、馬場的には高速馬場と言ってよい水準だったはずです。

例年この時期は時計が出やすいので、過去と比較して今年が特別速いという印象はないですが、速い時計が出る馬場だったことに間違いはないでしょう。

続いて、
セントライト記念の過去5年間データ
を見ていきましょう!

今年の勝ち時計は
過去5年で一番速く、ラップも非常に優秀です。

この時計は
2006年以降の20レースの中で2位タイの時計
です。(※2014年は新潟開催)

前半5Fは8位タイ
後半5Fは3位
後半1Fは4位タイ

今年のセントライト記念のラップはバランスが良くてかなりハイレベルだったのではないか
と考えています。

今回のラップは以下の通りです。

2025年 セントライト記念 レースラップ

今回の前半値は馬場差を考慮するスローペースと判定されるはずですが、
全体を通して1F 12.4より遅いラップタイムになった区間がありません…

これは驚異的なことだと個人的に考えています…

2006年以降に開催された中山芝2200m
のレースは全部で311レースありました。
(※個人データベースより)

その中で2:13.0以下の時計で決着したレースは
56レース。これらのレースのラップタイムを調査しましたが、

スタート後の1Fを除いて、
1F 12秒以上かかった区間が3Fしかないレースは
今年のセントライト記念を含め
3レースしかありませんでした。

2011 セントライト記念 フェイトフルオー
2012 セントライト記念 フェノーメノ
2025 セントライト記念 ミュージアムマイル

どのレースも差しが台頭したレースであり、2011年は大逃げしたロイヤルクレストが刻んだラップが大半、2012年は中団にいたフェノーメノが後半で押し上げて勝った以外は後方にいた馬が差してきました。

つまり、このラップは前で競馬をしていた馬に
相当な負荷がかかっていると考えられます。

ちなみに以下の条件

スタート後の1Fを除いて、
1F 12秒以上かかった区間が3Fしかないレース

でその他の重賞レースも調査してみました。
(セントライト記念を除く)

対象年:2006年以降

対象レース:芝2200m重賞
 - 宝塚記念 
 - オールカマー
 - AJCC
 - エリザベス女王杯
 - 京都記念
 - 京都新聞杯

対象レース数:120レース

条件に合致したレースは
以下の1レースのみでした。

2017 宝塚記念 サトノクラウン

まず1レースしかないということに驚きですね…!
当時のラップは以下の通りです。

2017年 宝塚記念 レースラップ

前半少し緩んだ以外は11秒台連発…
とんでもないハイラップです。

この時逃げ馬シュヴァルグランに近い三番手で競馬をしていたのは、
あの名馬キタサンブラックでした。
(8枠から前につけて外を回る競馬)

この時キタサンブラックは単勝1.4倍に支持されていましたが9着に敗れました。

キタサンブラックが古馬になって馬券圏内を外したのはこのレースが唯一です。

やはりこのレベルの持続ラップになると、
キタサンブラックでも沈んでしまう
ということを示しているのではないでしょうか。

馬場が全く異なるため直接比較することはできませんが、今年のセントライト記念は前にいた馬
に注目するとよいかもしれませんね!!

ピックアップ馬

1着 ミュージアムマイル

皐月賞で見せた圧倒的な強さを思い出させるような勝利でした。やはりこの馬は高速のスピード競馬がベストでしょうね。中山だと上り3Fだけの瞬発力勝負になることは稀なのでコース的にもベストかもしれません。この後は天皇賞秋を予定していますが、ペースが流れて後半5F、6Fのスピード持続力勝負になればこの馬が勝つ可能性が高まるのではないでしょうか。母のミュージアムヒルは素晴らしい馬であり、大物を出すかもと思っていましたがまさかの初仔からでしたね(笑)

2着 ヤマニンブークリエ

この馬は新馬の2Fが非常に優秀であり、2戦目も黄菊賞でミュージアムマイルに0.5差つけられてはいるものの後半5Fの数字は素晴らしく、その点は評価していました。すみれS、青葉賞、町田特別を見る限り長距離で強いとは思えず、1800mあたりの距離で狙いたいと思っていました。今回は最内で脚をためることが出来た+1800m以下の距離で必要となるスピードが生きるレースだったという点で恵まれたかなと思います。それでも指数的に成長していることは間違いなので次走でも人気しないならしっかりと買いたいですね。

3着 レッドバンデ

今回本命に推しました。この馬に関しては以下の個別記事で沢山書いている通り能力は間違いないと思います。今回は2000m以下で必要になるスピードを求められたレースだと考えていて、おそらくこの馬のベストである長距離とは求めらえれる適性が異なるレースだったはず。しかも今回不利な前目(3番手)で競馬して最後まで前の馬に迫る脚を使っていたので贔屓目なしに一番強い競馬をしたと考えています。調教師コメントから今回はやや重めの仕上がりだったはずなので、叩いたことで上昇するのであれば菊花賞でも勝ち負けになると思います。大本命候補ですね!

4着 ピックデムッシュ

ジュンアサヒソラ戦の2着の後半ラップが素晴らしく、山吹賞は過去最高レベルなので重賞級である可能性は高いと思っていました。今回は差し展開に恵まれてはいますが走破時計、後半ラップは非常に優秀でした。ルメール騎手曰く、休み明けで少しスピードが足りなかった、もう少し長い距離が欲しい、ということなので長距離路線を歩んでいくと思われます。東京2400mではあっさり負ける可能性もある馬、ということは頭に入れておきたいですね。

5着 サクラファレル

この馬も2番手で競馬していてかなり厳しいラップを前受けしてしまったことが敗因だと思われるため次走以降に大いに期待できます。これまで3戦連続で逃げて勝っていたので折り合い面が心配でしたが、2番手でもしっかり折り合えていたとのことでした。湯浜特別の競馬はかなり強いので重賞でもやれる馬だと思っていますが、距離はもう少し短い方が向くのかなという印象です。

11着 ジーティーアダマン

レースラップやレースレベルの項でも書いていますが今回は前で競馬した馬にとってはかなり厳しいペースでした。この馬としてはある程度速いペースで行く方が持ち味を生かせるとは思いますが今回は厳しすぎました。状態が万全だったとも思っていないので、次走菊花賞に出てくるのであれば穴として買いたい馬です。今回で見限るのは早いと思います(それくらいすみれSは素晴らしいレース内容でした)。

12着 ファイアンクランツ

今回はゲートでアクシデントがあり、モレイラ騎手のコメントでも走りに影響があったと言われているため、完全に度外視できる一戦かなと思います。個人的な予想で何度も書いていますが能力に疑いはなく(特に東スポ杯の後半5F)、晩成・長距離タイプであることは明らかなので今後も調教師コメントには注目していきたいです。気性面でも今後成長が見られると良いのですが…

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レース後コメント

レース後コメントへのリンクは以下の通りです!

https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=307708

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おず

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