この記事では先週行われた競馬開催の中で
管理人が激選した1レースを深堀して回顧します!
今回選定したレースは
3/9(日)に行われた
中山11R 弥生賞(芝2000m)です!
メモ
含水率14-15%
重寄りの稍重馬場
クッション値8.5
3コーナーから4コーナーの内側に傷みあり
芝レースは4角5番手以内が上位独占
前半5F 60.9(M-Hペース)
後半5F 60.4
トライアルの超王道、弥生賞!
今年は週中、土曜午後以降の雨の影響で例年より重い馬場で行われました。
日曜の芝レースは弥生賞を含め4レース。
これらのレースは全て4角5番手以内にいた馬が上位を占めています。
つまり、今年はかなりの前残り馬場だったと考えられます。
弥生賞で先手を取った馬はヴィンセンシオ。
陣営は逃げもあると考えていたようで、当日の馬場傾向から今回の戦術をとったと考えられます。
内枠からすぐに主張したことで隊列はすぐに決まったため、前半はスローで流れるかと思われましたが、前半5Fは60.9という速めのペースになりました。
レースラップ以降の項でも触れますが、今年は馬場が重かったことを考えるとミドル~ハイペースで流れたと思われます。
前半5F手前で最後方にいたファウストラーゼンが捲って先頭へ。
これ以降ペースが上がり、後方にいたアロヒアリイも仕掛けます。
4角前でアロヒアリイと並ぶようにしてミュージアムマイルも前へ進出。
4角ではすでに上位陣は今日の芝レースの好走傾向通り前に取りつくことになりました。
最終的に前2頭はそのまま1、2着。
大外を回したアロヒアリイがミュージアムマイルを交わして3着という結果でした。

では詳細な数字を見ていきましょう!
レースラップ
2021年~2024年までの4年間に行われた弥生賞の平均ラップと2025年のラップ比較は以下の通りです。
過去4年間は全て賞馬場での開催ということもあり、今年のラップはかなり特殊になっていることがよくわかるのではないでしょうか。
今回注目すべき点は、前半5Fまでは良馬場開催だった例年と同様であることでしょう。
そこから残り600mまで速いペースで流れ、最後は各馬脚が上がる中でのスタミナ勝負になったと考えられます。

レースレベル
今回は同日に行われた4歳以上2勝クラス(芝1600m)との比較によりレースレベルを考えていきます。
以下は4歳以上2勝クラスの過去5年間のタイム比較です。

今年の4歳以上2勝クラスの勝ち時計は過去5年の中では3番目のタイムです。
前半3Fが過去5年で一番速く、勝ち馬の上りやレース全体の後半3Fを見る限りかなり上りがかかっていることがわかります。
これらのことから、今年は後半上りのかかるかなりタフな馬場だったことがわかります。
気になる方は是非他の芝レースの各馬の上り3Fの数字やレースラップの後半部分に注目してみて下さい!
他の年や今年良馬場開催のレースと比較して非常に遅いタイムになっていることがよくわかると思います。
続いて、本題となる弥生賞の時計を見ていきましょう!

今年の弥生賞の勝ち時計は過去5年で2番目に遅いタイムです。
しかし、これまで何度も述べてきたように今年はかなり時計がかかる(特に後半)馬場で行われたため、時計の遅さはあまり気にしなくてよいでしょう。
今年は例年と求められる適性が異なる特殊なレースになったと考えています。
より正確に時計レベルを考えるのであれば、今年は過去2年より1秒程度遅い馬場水準だったと考えているため、今年の弥生賞の全体時計レベルは例年より少し下程度かなと思います。
今回はホープフルSで底を見せたと思われるファウストラーゼンが1着となったことで、相対的にクロワデュノールが強いということがより広く認知される結果になったと思われます。
今回の結果をどう判断するのかで皐月賞での馬券センスが試されそうです。
レースレベルとは少しずれますが、今年の弥生賞で注目すべき点は捲りのタイミングにあると思います。
以下がレースラップです。
200m | 400m | 600m | 800m | 1000m | 1200m | 1400m | 1600m | 1800m | 2000m |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
12.6 | 23.5 | 35.9 | 48.7 | 1:00.9 | 1:12.4 | 1:24.1 | 1:36.5 | 1:48.6 | 2:01.3 |
12.6 | 10.9 | 12.4 | 12.8 | 12.2 | 11.5 | 11.7 | 12.4 | 12.1 | 12.7 |
ざっくりではありますが、
黄色の部分がファウストラーゼンが捲った区間。
青色の部分がアロヒアリイが捲った区間を示しています。
どちらの馬もそれほどペースが緩んでいない区間で馬を動かして押し上げており、相当な負荷がかかっていたと思われます。
特に11秒後半~12秒前半の速い区間で最後方から先頭集団までコーナーがある中押し上げたアロヒアリイはかなり長い区間速いペースを維持しています。
前述していますが今回は各馬相当なスタミナ的素質を問われたレースになったのではないでしょうか。
ピックアップ馬
1着 ファウストラーゼン
今回もホープフルSと同じ戦法をとっての好走。今回はしっかりと頭を取り切りました。スタートが悪く後方になってしまったことでこの戦法となったようですが、陣営の言う通り素晴らしいスタミナを持った馬であることは間違いないでしょう。未勝利戦が底を見せない強い勝ち方でしたが、重賞を取るまで行けるとは正直思っていませんでした。今後モズアスコット産駒の代表格になっていくでしょう。ここ2戦捲り競馬をしているため、内枠に入ってしまった場合G1では厳しい戦いを強いられると思われます。血統から瞬発力勝負に向いているとは言えず、東京芝レースでの好走はハードルが高そうです。しかしこれは誰しもが考えることであり、今後も人気しないタイプだと思うのでその点は馬券妙味になるかもしれません。
2着 ヴィンセンシオ
今回は意外にも逃げを選択することになりました。馬場傾向を考え、内枠で包まれて後方になることだけは避けたかったが故の騎手の好判断だと思います。馬格があって跳びがやや大きめのタイプであるため、ルメール騎手のコメント通り今回のような重めの馬場はおそらく苦手のはず。それでも2着に粘ったあたり持っているポテンシャルは相当なのだと考えられます。また、今回は前走に続いて大幅な体重増であったため、個人的には今回は7~8割の仕上げで権利をとることを最優先に考えていたと推測します。ここまで3戦全て全く異なる競馬になりながら上手く対応することができており、今後が楽しみな逸材です。東京芝2400mがベストだと思うので、勝手な願望ですが皐月賞はペースを問わず後方から差す競馬に決め打ちしてほしいと思っています。
3着 アロヒアリイ
この馬はスカーレット – バレークイーンの牝系で近親には瞬発力というよりは持続力に優れたタイプの馬が多くいます。その特徴通り今回は素晴らしい持続力・スタミナを見せて3着に食い込んできました。特にラップが速くなったところから押し上げて上り3F最速の脚を見せているため、一番強い競馬をしたと広く認知されると思います。ただし、この馬で注意すべき点としては今回がメイチの仕上げだったと思われることです。坂路・CW両方でかなり速い時計を出し、騎手を乗せていることから今回は皐月賞出走の権利を全力で取りにきたのだと考えています。あまり厩舎に馴染みのない横山和生騎手(馬を動かすことに長けた騎手)を鞍上に選んでいることもその裏付けになるでしょう。次走以降は状態をしっかり見極めていきたいと思います。
4着 ミュージアムマイル
実績通り1番人気に支持されましたが上位には届かず4着。一緒に押し上げてきたアロヒアリイに最後差されており、坂で止まっているように見えたためスタミナ的な能力で劣ったと考えてよいと思います。連対した3戦はすべて京都芝コースかつ相手が弱いものだったので、レース前の不安が現実になってしまったといえます。今回は正直かなり特殊な競馬になっており、例年の弥生賞とは異なる適性が要求されるレースだったと思うので、4着という結果はあまり気にしなくてよいでしょう。仕上げも当然100%ではなかったと思います。大出遅れした初戦の後半個別ラップから考えてもG1級であることは間違いない馬です。あとは早熟でなければ今後普通に巻き返すと思われます。馬場に寄りますが皐月賞ではほぼ間違いなく個人的な買い目に入れるでしょう。

レース後コメント
レース後コメントへのリンクは以下の通りです!
今回も次につながりそうなことを各陣営が語っているので皐月賞やその他今後のレースに向けてしっかり押さえておきたいですね!
杉原騎手、西村厩舎、陣営の皆様方おめでとうございます(^^)