この記事では先週行われた競馬開催の中で
管理人が激選した1レースを深堀して回顧します!
今回選定したレースは
4/6(土)に行われた
中山9R 山吹賞(芝2200m)です!
メモ
含水率14-15%
稍重に近い良馬場
クッション値9.0
今週からBコースを使用
3コーナーから正面直線の内柵沿いに傷みあり
⇒4角は外を回す馬が恵まれ
前半5F 61.5(Mペース)
後半5F 58.7
中山の長距離戦、山吹賞!!
青葉賞のステップレースとしては間隔が短く、実際にここを勝って青葉賞に挑んだ馬は多くが惨敗しているため、将来の長距離上級戦を見据えてここを使ってくる馬がほとんどです。
頭数が集まらずメンバーレベルも低くなりやすいため、
結果を重視している人は少ないかもしれませんが、
今年はピックデムッシュが出走してきたことで注目していました。
時計面は後述しますが今年のレースはかなりHレベルな時計が出ました。
前半5Fは61.5とこの条件にしては中々のHペース。
逃げたハイタイドがしっかりと沈んでおり、2番手から早めに仕掛けたフィーリウスが最後に差されたことを考えるとペース的には先行馬の負荷が大きかったのかなと推測します。
内がよくない馬場状態であり、4角で各馬が外を回していたことも注目ポイントです。
勝ち馬ピックデムッシュは中段から好位置に構えて直線外から早めに抜け出して1着。
2着ガンバルマンは最後方から道中押し上げて4角はピックデムッシュの後ろから差してきて2着。
3着フィーリウスは2番手から内を回って早仕掛けの影響もあり何とか3着。
4着ダノンジャイアンはガンバルマンのさらに後ろから大外を差してきたが3着までぎりぎり届かず。
という結果でした。

では詳細な数字を見ていきましょう!
レースラップ
2021年~2024年までの4年間に行われた山吹賞の平均ラップと2025年のラップ比較は以下の通りです。
そもそもこのレースは冒頭でも紹介したレース背景的にレベルが高くなりにくいレースであり、過去のラップと比較するだけでは各馬のレベルを把握するのに適しているかは微妙なところはありますが、ラップは明らかに過去レースよりHレベルといえるでしょう。
前半ラップが平均より明らかに速く、後半も失速しない素晴らしいラップ構成です。
勝ち馬ピックデムッシュはこのラップの中で2着を0.4秒離しているため、今回のメンバーで一頭抜けて強かったのは明らかでしょう。

レースレベル
今回は同日に行われたダービー卿CT(芝1600m)との比較によりレースレベルを考えていきます。
以下はダービー卿CTの過去5年間のデータです。

山吹賞と同日に行われる場合もありますが、1日ずれて開催されるパターンもあるので注意が必要です。
(基本的に土日で馬場が急激に変化することは少ないですが)
過去5年中4年は32秒台で決着しており、勝ち馬の上り、後半ラップも含めて考えると標準レベルだったといえるのではないでしょうか。
続いて、山吹賞の過去5年間のデータを見ていきましょう!

2025年山吹賞の勝ち時計は過去5年の中で一番速いタイムです。
それだけでなく、2006年以降1~4月開催の中山芝2200mで行われた3歳限定戦(総レース数:141レース)の中で最も速い時計でした。
時計面は非常に素晴らしいですね!
今年これまでに開催された中山芝2200mの中でも2番目にあたる全体時計です。
1位はダノンデサイルが勝利したAJCC(2:12.1)です。
当時はやや時計がかかる馬場だったので直接比較することはできませんが、後半ラップは山吹賞の方が速いです。
ラスト1F 11.8で減速していないことも高く評価できます。
時計面から今年の山吹賞はかなりレベルが高かったと考えています。

ピックアップ馬
1着 ピックデムッシュ
レイデオロ産駒は長距離でやや遅めのペースで走らせると好走率が良いことが徐々に認知されてきた気がします。この馬は2000m以上の距離で全く崩れておらず、後半の脚で他の馬に劣ったことはありません。ジュンアサヒソラ戦の数字は重賞級であり、今回の時計面を考えてもやはり重賞を勝てるだけの力がある馬だと思います。馬主的に重賞で軸にしたいとは個人的にあまり思えないのですが、重賞で人気にならなそうなタイプなので今後も期待したいです。今年の青葉賞はかなりHレベルなメンバーが集まりそうなので間隔を詰めて出てくるのであれば状態に注視したいと思います。可能性は低いと思いますが今後1800m戦に出てきたときは疑いたいです。
2着 ガンバルマン
前走弥生賞の予想時には穴として期待していた馬です。期待通り5着とそれなりの結果を残してくれましたが、展開に恵まれた側面が大きいと感じました。弥生賞で印を打った理由はディヴァインスター戦と未勝利勝ちの内容を評価していたから。今回も後方で脚をためて後半の脚を生かす競馬で好走しており、パターンは確立されたのではないでしょうか。厩舎のレベルに不安が残りますが、今後弥生賞時に近い出来で出てきたときに大きく狙いたいと思っています。原騎手は買える騎手だと思うので今後もこのコンビに期待したいです。
3着 フィーリウス
ダートの未勝利を勝ち上がった馬ですが、血統は芝向き。リアライズオーラム戦は超スローでしたが上り3F 33秒台の脚が使えており、適性は芝にあると考えられます。前走水仙賞も超スローからかなりHレベルな後半ラップを刻む瞬発力戦の中で後方から他の馬より良い脚を使えていました。今回は前に行って差された形ですが、前走から大幅に全体時計を詰めることができているので高く評価すべきです。水仙賞は中々Hレベルなメンバーが揃っていたと考えており、この馬も1勝クラスはすぐに勝てると考えているため、この先適条件で人気薄になるようならば強めに狙いたいです。
4着 ダノンジャイアン
坂を越えてからの脚は素晴らしいものがありました。おそらくラスト1F最速はこの馬でしょう。最後方から最後の脚を生かす競馬を選択しましたが、今回は4角の位置取りの時点で勝負は決まっていたため、道中の位置取りによっては上位もあり得たと思います。前走小倉未勝利勝ちは地味に優秀です。時計のかかる馬場でラストは加速ラップ。着差もついておらず他に上りで上回る馬がいたため評価は低いかもしれませんが、次走以降もかなり期待が出来そうです。ロベルトのクロス持ちであり、上りの早い競馬よりはタフな2000m戦がベストかもしれません。
レース後コメント
レース後コメントへのリンクは以下の通りです!
最近よく思うのがレース後のコメントで馬に対してだけでなく、事前のレースプランや実際のレース質、自分の騎乗に対してのコメント等をレース直後でもしっかりと語れる(公にしていないだけで自分の頭の中には描けている可能性もありますが)騎手は回収率・好走率が高く一般的にも上手いと認知されている気がしています…
個人的な予想においては騎手というファクターはほとんど重視していませんが勝負度合いを上げるレースでは勿論大切な要素なので今後もコメントには注目していきたいですね!
このレースには全く関係ないですが何となく今後の騎手レベルは栗東>美浦の傾向がより強くなっていく気がしています。