フリームファクシに関する考察記事です!
※この記事は2023年4月15日noteに投稿した記事をリライトしたものです
前書き
いきなり結論です。
私は、この馬はサトノダイヤモンド級の力があるのでは?と思っています。
理由は、フリームファクシの阪神未勝利戦のパフォーマンスがサトノダイヤモンドそっくりだったからです。
「ディープインパクト産駒とルーラーシップ産駒のどこが似ているんだ!」
と突っ込まれそうですが…
実際フリームファクシは気性的に問題があり、レース中も頭を上げたり課題も多いのに対して、
サトノダイヤモンドは若いころから利口で優等生タイプの馬だと認識しています。
そんなタイプ的には正反対に思える2頭ですが、私が似ている思った最大の理由は
2歳時の阪神2000mのパフォーマンスにあります。
未勝利戦のパフォーマンス
阪神2000mで行われたフリームファクシの2歳未勝利戦。
前半5Fは64.1秒でかなり遅いため全体時計は2:03.9と目立たない数字で一見レベルは低いのでは?と思いました。
同じ日に行われた新馬戦が全体時計2:02.2だったのでやはりレベルは低いのかなとその時は考えました。
2022年11月6日 3R 2歳未勝利戦
全体時計:2:03.9 勝ち馬の上り3F:33.6 勝ち馬:フリームファクシ
2022年11月6日 5R 2歳新馬戦
全体時計:2:02.5 勝ち馬の上り3F:34.8 勝ち馬:ノーブルクライ
しかし、過去のデータと見比べてみると、上りの数字がとても素晴らしいことに気付きました。
上り3F 33.6という数字自体は近年珍しくは感じませんが、実は阪神2000mではかなり早い部類に入ります。
阪神芝2000mのコース形態・ラップ
よく知られたことですが、阪神競馬場はゴール前に坂があるのでほとんどの馬が失速するラップになります。
以下はコースの高低断面図です。この図からわかるように、ゴール前の200mから2mの急な坂を登る必要があります。

よって、ラストの2Fが速く、さらに同速もしくは加速ラップで走れる馬は強い馬の可能性が高いと個人的に考えています。
実際にオルフェーヴルやキズナ、プログノーシスなどもこの特徴に当てはまる馬たちです。
この仮説に基づいて、自分がデータを調べられる2012年以降の阪神芝2000mの2歳戦データを眺めてみました。
“上り3Fが33秒台“かつ”ラスト2Fが加速ラップ“で走れた馬を調べたところ以下の2頭が該当しました。
ラキシス(2012年)
サトノダイヤモンド(2015年)
2頭ともG1を勝っている素晴らしい馬です。
このことからも強い馬との相関度は非常に高いのではないかと考えています。
フリームファクシとサトノダイヤモンドの比較
話を戻して、フリームファクシは未勝利戦のラップは以下の通りです。
ラスト2Fを11.3-11.3で走っています
(※レースラップであることに注意)。
この時直線で少しよれる小さな不利があった上に、騎手は一度も鞭を使わずに走り抜けています。
つまり、本気で追っていた場合さらに早い数字が出ていたと思われます。
個人的には上記のG1馬2頭に匹敵するパフォーマンスだったのではないかと考えています。
そしてそのG1馬の内の一頭、サトノダイヤモンドが走った阪神2000m 2歳500万下のラップとフリームファクシの未勝利戦のラップを重ねたものが以下の図です。

フリームファクシ(2:03.9)
12.8 – 11.7 -13.3 – 13.2 – 13.1 – 13.1 – 12.3 – 11.8 – 11.3 – 11.3
サトノダイヤモンド(2:03.8)
12.9 – 11.4 – 13.5 – 12.9 – 13.1 – 12.8 – 12.6 – 11.8 – 11.5 -11.3
2頭はかなり近いラップで走っていることがわかります。
全体時計はそれぞれ2:03.9と2:03.8、上り3Fは33.6と33.9でほぼ同じ。
2頭ともかなりの大外から他の馬を差し切って差をつける強い内容でした。
サトノダイヤモンドは稍重でこの全体時計なので、総じてみるとこちらの方がパフォーマンスは上かもしれません。
それでも、この後きさらぎ賞を勝って皐月賞に挑むローテーションまで同じなのは何かの縁なのかなと感じます。
サトノダイヤモンドは京都1800mのきさらぎ賞を素晴らしいパフォーマンスで勝っていますが、フリームファクシも負けてはいません。
2023年の中京2000m戦では一番早いタイムで勝っており、2着に破ったのは世代屈指の瞬発力を持つオープンファイアです。
道中あれだけ折り合いを欠いても抜かせない持続力はG1に手が届くのではないかと思わせました。
最後に
サトノダイヤモンドは皐月賞で1番人気に評価されましたが、3着に敗れています。
フリームファクシは1番人気にはならないとみていますが、
2023年混戦のメンバーの中で秘めているポテンシャルは1番高いと信じており、このデータも覆してくれることを願っています。
他にもここまで素晴らしいパフォーマンスを見せている馬もいますが、2023年の皐月賞はこの馬と心中して当たることを祈りたいです!

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